不毛地帯 (3) (新潮文庫)
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不毛地帯 (3) (新潮文庫) 山崎 豊子 定価: ¥ 820 |
カスタマーレビュー
やや中ダレ
三巻では、日本企業による海外進出の始まり(高度成長)と外資自由化を迎えつつある時代を背景に商社マンの戦いを描いていますが、個人的には、重厚長大な作品にあってやや中ダレしている気も否めません。
大人になって久しい今となっては、政治的駆け引きや寝技に重点が置かれ過ぎている気もしますが、これを読んだ少年当時は「商社マン」に憧れたものでした。
自動車提携交渉
近畿商事が主導する千代田自動車とフォーク社の提携
がまとまりかけた矢先、東京商事の鮫島がフォーク2世
会長につけ入り、東京商事が仲介する東和自動車との提携を
決めてしまった。その理由が、鮫島が体長5メートルもある
カジキマグロを釣り上げ、会長を感動させたから。w
(ここの釣りの描写は結構好きです。凄まじさが伝わってきました。)
嗚呼、これも頑張っても報われないシリーズです。
で、近畿商事はというと、この案件はこの小説の主人公である
壱岐正がやっていたが、彼を良く思っていないライバルの
里井副社長が割り込み、案件を頓挫させてしまった。で、さらに
心臓病で倒れてしまう。
壱岐は結局無傷で、大門社長の信頼を逆に厚くさせることになった。。。
ちなみに鮫島は名前のとおり、1回敵に喰らいついたら死んでも
離さないという。里井の心臓をも食い破ってしまった。
必読の小説
1巻600ページ超、全4巻の大作である。日航に勤める主人公を中心に日航の闇の部分を描く社会派小説「沈まぬ太陽」でも彼女の取材の緻密さが感じられたが、おそらく「不毛地帯」は「沈まぬ太陽」が世に出るにあたり、その試金石的な役割を果たした小説なのだろう、同様の取材の緻密さが感じられた。この小説では、シベリアに11年間抑留された元日本陸軍参謀の主人公が帰国後商社マンとして第2の人生を歩んでいく姿を描いており、前半はシベリアでの強制労働、後半は砂漠の中での石油開発と2つの不毛地帯を舞台にしている。様々な不幸、困難を経験しながらそれぞれの不毛地帯に不屈の精神で立ち向かっていく主人公に知らず知らずのうちに感情移入してしまい、大作の割にはどんどん読み進めてしまう。お薦めの1冊である。
商社のお仕事
商社って、国内や海外からあらゆる商品を買い付けてきて、それをニーズのあるところに売ることだけが仕事なのかと思っていたら、企業同士の仲介もするのですね。今では日本車は世界ナンバーワンの実績を持っていますが、この昭和40年代では、まだまだアメ車のビッグスリーと呼ばれている大手が世界一だったのかと感慨を覚えました。
のっけから、壱岐さんの折り目正しい一人娘と、ライバル鮫島さんの人を食ったような一人息子の結婚話で、鮫島家の反応ぶりが笑えます。でもこの小説はそういうお笑い要素にはあまりページを割かないので、話はビジネスの方へあっさり流れてしまうのがちょっと惜しかったり。
シベリア帰りでしょぼい浪人生活の痕など片鱗もなく、立派にニューヨーク支社長を務めて、かつ、恋も成就させ、充実した日々を送る主人公ですが、私はだんだん、この壱岐さんというヒーローについていけなくなっていきました。
作者の目は冷酷に、超一流ビジネスマンであること=最高の恋人とは呼べない人間の弱さを描き出しています。
舞台は熱砂の不毛地帯へ
シベリアでのつらい思い出に耐えつつ、壱岐は自分に与えられた職務を全力で行う。
それは、太陽の直下、アラビアでの石油発見であった。
どこを掘ればいいのか。掘れば掘るほど、会社の資金は底をつく。
いつ中止するのか。絶対にやり遂げたい、という部下の意思をどう汲み取るか。
会社人として、勝負の時が来ました。
恋の方も、発展します。
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