カラシニコフ II (朝日文庫)
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カラシニコフ II (朝日文庫) 定価 630円 新品 630円から 中古 494円から |
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この商品の感想
第2部。南米→アメリカ→中東
本作は、第三世界に氾濫するカラシニコフ自動小銃の流れを追うことで、
混迷を深める現代の世界情勢を読み解こうとするルポの第2弾です。
前作はアフリカを取り上げており、
地政学的に日本と関係が薄く、私自身知識が少なかったこともあって、
「失敗国家」群の凄まじい現実に強いインパクトを受けました。
それに比べると、本作は、比較的報道もなされているアフガン&イラク情勢が中心で、
カラシニコフという切り口から改めて同情勢を眺める面白さがありました。
個人的に印象的だったのは、
アフリカの失敗国家においては、カラシニコフが「矛」といいますか、
弱い立場の国民を蹂躙する攻撃的な武器という感じがしたのに対し、
中東などでは、国家の支配の及ばない領域において、
カラシニコフが住民や部族の「盾」として、
自衛の手段としての防衛的な武器として機能しているように見受けられたことです。
また、コロンビアにおける原始的な経済、
すなわち、カラシニコフとコカインの物々交換というシステムには、
もう手のつけられない末期癌といったショックを受けました。
前作と並び、国際政治・国際経済に興味を持つ学生必読の力作です。
世界各地に広がるカラシニコフを追跡しながら国家とは何か考える渾身のルポタージュの続編
カラシニコフ銃をテーマの中心にすえつつ「国家とは何か」について考える、渾身のルポタージュの続編です。
【主要目次】
第1章 ノリンコの怪(コロンビアのテロ軍団と其処に持ち込まれる中国製カラシニコフの謎、麻薬問題にも言及)
第2章 ライフル業者(ノリンコが持ち込まれる密輸ルートに迫る、アメリカ銃規制問題も)
第3章 流動するAK(パナマやペルー経由の密輸ルート、ペルー日本大使館襲撃事件についても)
第4章 AK密造の村(パキスタンの銃密造村)
第5章 米軍お墨付き(アフガニスタンの現状)
第6章 拡散する国家(イラクの現状)
銃がはびこるのにはちゃんと理由がある、ということが本書I・IIを通読すると良く分かります。腐敗した政治指導者、治安の悪さ、貧困、それ故の教育レベルの低さ、国境線の悲劇(民族間の対立、国境線で分割された民族の悲劇、"国家"への帰属意識の低さ、など)... 本書を読むと、問題は決して局所的ではなくグローバルな問題であることが良く分かりますね。(最近のグルジア問題もしかり)
米国がしかけた戦争の後のアフガニスタン・イラクにおいて「連邦制を目指そう」と言っても、資源・地の利・"民族/宗教/言語"の間の壁・他国の思惑が絡むと、そう単純な話ではないことは自明ですね。"パンドラの箱"を開けてしまった米国はどうする積もりでしょう? ("日本の戦後処理"はあまり参考にならないことは明白だったはず) また日本政府はどのような援助が出来るでしょう?(少なくとも"ODAバラ撒き"が正解だとは思えません。資金援助は大事ですが、その"やり方"が問題。今年の「アフリカ開発会議」のやり方は疑問) いろいろ考えさせられる本でした。
悪魔の銃、奇跡の銃を通して「国家」「人間の業」を問う……
すでに単行本「カラシニコフ」として出版されたものの文庫化だ。文庫化にあたって、加筆訂正された箇所が膨大なわけでもないから内容に関することは、単行本のレビューを参考にされたほうがいいと思う。
いきなり19歳の「元少女兵」が登場する。そして、「私は3人殺しました」――と。
ここで私は読むのをやめられなくなった。文庫化にあたって再読したが、少なくとも事実関係は最新のものに改訂されており、やはり同じように一気に読み終えてしまった。
本書は、上巻の主な舞台が「アフリカ」である。カラシニコフ(AK47)は、操作性の簡易さから、少年や少女に与えられ、子供達は大人に命令され、あるいはやむを得ず「人を殺す」。本書で問いかけているのは、その是非ではない。「銃によって成立した国家とは、何なのか」ということだと思う。アフリカは今、小さな「国家」がモザイクのように成立している。そして国家の中に複数の民族が存在し、「紛争」が起こる。旧ユーゴスラビアのように。
本書はそれを大仰に批判するでもなく告発するでもなく、しかし賛同もせず、冷たすぎるぐらいの筆致でルポしていく。内戦状態や無政府状態の国家を、本書では「失敗国家」と言う。ただ断罪しているわけではない。「この国ではこういうことが行なわれている…」と淡々と語られていく。
私がこれらの国に対して何ができるわけでもない。だが少なくとも、「知っておくべきだ」と思わせる本である。
この「下巻」(カラシニコフ2) では、舞台が南米、アジアに移る。ここでも銃密売、麻薬……などが描かれる。そこに見え隠れする「大国」の思惑。「非はどちらにあるのか」と問いかけるのではなく、「こういう事実がある。答えは皆さんが考えて欲しい」そう言っている本だ。ただし、暗く重苦しい読後感は残る…。
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